喰んで啄みながら骨の浮いた体を辿って、幾度も口付ける。

敷布に投げ出されている腕の内側の白い膚に、浮かんだ欲のままに色を付けようと捕らえて引き寄せ、その心許なさに思わず顔をしかめた。

露草の未発達な指でさえ簡単にまわってしまう手首。

本当に、小鳥のようにこの男は軽いのだ。

上背に似合わずどこもかしこも細く薄く華奢に形作られ、その艶麗な華やかさがなければ貧相に見えかねないほどに。

露草よりもずっと丈高いくせに身の代は露草よりもさらに軽い。

肉の無い痩躯は柔らかな厚い褥であっても横たわれば骨が当たって痛いのだと知っている。

だから露草は捕らえていた手首を離すと、組み敷いている梵天の背と敷布の間に手腕を潜り込ませて抱き起こし、晒けだされた互いの胸をぴったりと合わせるように引き寄せた。その不安定な体勢を支えるため、梵天が解放された腕と未だ敷布に彷徨わせていた腕とを伸ばし首に縋ってくるのを当然のように受け止めていた露草は、ふと向けられた目が笑うのに己の意図が伝わっているのを察する。

いつものことなのだが、なんとなくそう明確に指摘されてしまえば面はゆさに舌の一つも打ってしまう。それでも浮かせた体を離さず彼に灯った熱を上げるために舌を這わせ吸い上げれば、その痩躯は腕の中、それこそ小鳥のように小さく震えた。

美しい夜に誘われ